2019年12月 勉強会・相談会

12月11日(水)13:30〜20:00、いつもの藤沢市役所 5F 市民利用会議室1にて、相談会と勉強会を行いました。

相談会は3組、勉強会も2組3人が参加してくださいました。

今回ポイントとなったトピックは「あえてスイッチを使わないこと」。
11月の、コミュニケーションはICTにこだわらないということに少し関連しますが、道具を使うことはあくまできっかけにすぎません。

最近おすすめしているのが、笑顔日記。
たいそうなものではありません。iPadで写真を撮って、写真に音声をつけるだけです。指伝話メモリでつくっています。
指伝話メモリの笑顔日記
もしiPadがなければ、カメラで撮った写真を印刷して、紙芝居のように裏面にコメントをつけておいてもいいかもしれません。

「今日はヘルパーの鈴木さんが来てくれて、いい笑顔。」
「天気が良かったので、家族で近所の公園に散歩に行きました。眩しかったのかな?そのまま気持ちよく寝てしまいました。」
「大好物を持って、大好きなおばあちゃんが会いに来てくれました。」

写真をタップして(もしくはスイッチで操作して)コメント付きの写真を見てもらうと、別の日に来るヘルパーさんや遊びに来た友人が、
「え、(普段はしないのに)こんな良い顔するの?」
「これどこ?すごく綺麗な場所だね!」
「おばあちゃんが来たんだね〜!おばあちゃんは遠くに住んでいるの?」
という感じで話しかけます。本人が自分で話せるかどうかは問題でなく、周りの人がその人のことを知るきっかけになる、そして話しかけるネタになるということが大切です。

コミュニケーションというと、どうしてもことばのやりとりを想定しますが、誰かに話しかけることもコミュニケーション、それに対して「そうそう!」と相槌を打つことも表情を見せることもコミュニケーションですね。

子どもの場合は、自分のことを知ってもらう、自分に話しかけてもらう経験をたくさんすることで、いつか自分もお返事をしたいな、あのことなら実はよく知ってるから教えてあげる…!という気持ちが溢れてくるかもしれません。
「ねぇ見て見て!」「聞いて!今日こんなことがあったの」って、私たちも言いながら大きくなっています。大人になっても聞いてもらう対象がさらに広がるだけで、その気持ちに変わりはありません。

話は戻りますが、この笑顔日記すらスイッチで本人が操作する必要はないのです。
お見舞いに来た人が見られるようにベッドサイドに置いておく、ヘルパーの引き継ぎのために共有事項を記録しておく、初めて行った先で自己紹介できるように用意しておく、それだけでもコミュニケーションが生まれます。

スイッチを押すことが重要なのではなく、人とのコミュニケーションを通じて笑顔になり、心が豊かになること。その積み重ねが、生きていく糧になると思っています。

島津 あすか

笑顔日記の例

一面のラベンダーに うっとり
うしさんを見て、何を思ってる?
お散歩に出て、良い笑顔